杯動画お楽しみいただけたでしょうか。
この杯動画で試したのは二点、
リアルな質感の導入と、後半のスカートカンカン?
今回は主にモデルのシェーディングの話です。
いつもトゥーンシェーダーばかり使ってますけど、
リアルなシェーダーでも基本的に同じじゃないかなと思っていたのです。
ちなみに最初からレトロな映画調を考えていたわけではなく、
リアルなシェーダーを試した結果、落としどころがそこだったという感じ。
3DCG特有のハイパーリアルな質感を避けちゃったんですね。
シェーダーは肌と髪に多光源エフェクト、それ以外はExcellentShadow。
金属や皮革、羽毛があると専用のシェーダーがあった方がよくて、
背景に凝ったシェーダーを使おうかなという考えも頭をよぎりましたが、
ネオヴェネツィアのテクスチャが十分リアルだったので必要ありませんでした。
シェーダーの多光源エフェクト(by ビームマンP)ですが、
リアル系の中ではグラデの綺麗さより影がぶれるのが特徴というシェーダーです。
ただ、ExcellentShadowを併用すると、その特徴は半減するような?
調整は.fxのファイルをテキストで開いて少し数値調整してますが、
若干、影に赤みを加えてリムライトを抑えているという程度。
リムライトやハイライトは印象的ですが、自然な感じも失われやすいです。
同様にハイライト効果がある材質の加算スフィア(材質の光沢)も取り払ったり、
スフィアマップを少し加工して光沢を抑えています。
スフィア以外では、トゥーンマップ、肌テクスチャ、あと法線を少し。
まず、肌のテクスチャ。
口紅はもともとシェーダーによって顔色が悪く見えるのを避けるためのものです。
もともと両モデルとも最初から薄くリップを引いてますが、それを濃くしたわけです。
ざっくりやったらレトロっぽい感じのお化粧になったんでそのままにしました。
今っぽい?お化粧ならもう少し色を抑えた方がそれっぽいでしょうけど
ヴェネツィアで名画っぽいロケをしてるシチュエーションなのでこれでいいかなと。
顔色対策には影を赤くしたり、チークを加えても同様の効果があるはずです、
室外光源だとチークは不自然に見えるので付け加えてません。
あと乗算系のポストエフェクトを重ねてると強く色が出すぎる印象があります。
肌テクスチャはシェーディングの都合上、細かい陰影やエッジを取り払ってます。
もともとモデルの顔はトゥーンマップ除外で影が出ないような設定になっているので、
テクスチャに陰影や鼻のエッジが必要になるんですね。
細かいシェーディングができるならこれらはなくてもいいと思います。
しかし、せっかくモデラーさんが使いやすくしている設定を解除してしまってるわけで、
確実に使いにくなるし、調整を間違えば不気味の谷に落ちます。
シェーダー適用は多かれ少なかれすべてそうですが・・・
法線も同様です
もともとひいらぎ式蘭子は法線を前に向けて顔に影も出にくいように調整されています。
顔に余計な影を出さないイラストっぽい見映えのモデルに見られる設定です。
今回はその法線設定を解除し、面の向きに沿った法線方向に戻して使っています。
それだと口周りが少し影が出やすいので法線調整プラグインで少し前に向けています。
凛の顔の法線も口の周辺~あごにかけて少し前方に向け直したりしています。
法線をエディターで1本ずつ綺麗に調整するのはかなり困難ですが、
何本かずつ指定しては~%の数字を弱めて調整してみました。
法線は面の向きを決めるために頂点に1本ずつ設定されている方向です。
三角ポリゴンの場合、3本の法線が存在していて同じ形に見える面でも、
この法線の組み合わせによって影の出る方向が変わります。
本来、カクカクのポリゴンモデルがそう見えないのは、
この法線が面の繋がり方によって設定されているためです。
モデルはシェーダーに合わせてセットアップしたいう感じですね。
さらにリアルな質感を目指すなら法線マッピングをしたりする方法もあるはずです。
顔に出る余計な影を取るためにはMMEで照明エフェクトを足す方法もあります。
今回はPostPointLightというエフェクトを外部親でモデルの顔周辺に配置し、
カットによって位置や強さを変えてますが、やりすぎるとシェーダーが剥げます。
一番大事なのエフェクトよりも標準照明の位置と角度だと思っています。
今回、しぶりんは建物の影にいることもあり、実は照明方向がかなり変わってたり・・・
実際、撮影現場では追加照明を持ち込んでるわけで、MMDでも同じなんでしょうね。
(PanelLightというエフェクトもレフ板のように使えたり)
というわけで今回はここまで、
長くなってうんざりしますが、続きます。。。
※参考画像貼ろうと思ったらイマイチうまくいかなかったのでそのうち貼ります。。。